導入
「ゲームで生活を良くする」を企業理念に掲げさまざまなゲームの企画・開発に携わるジニアス・ソノリティは、数年間かけて新しいパズルゲーム「Pokémon Café Mix」を株式会社ポケモン、任天堂株式会社と共同開発。世界一斉リリースを控え、ローンチ時に想定される爆発的なアクセス数に備えたインフラ設計や性能テストを繰り返し、最終的にゲームインフラとしてOracle Cloud Infrastructure、MySQL Enterprise EditionおよびMySQL InnoDB Clusterを採用した。

ビジネス上の課題とゴール
- ローンチ時の爆発的なアクセスへの対応
世界的に人気のキャラクター「ポケモン」を採用し、Nintendo SwitchおよびiOS/Androidのスマホの両方で提供される新しいパズルゲーム「Pokémon Café Mix」の世界一斉リリースにあたり、ローンチ時には秒間数万を超える爆発的なユーザーアクセス数が想定された。それらを見据えたインフラ設計、性能設計、耐障害設計を確実に実施し、サーバーが落ちてしまうという深刻なトラブルを回避することが必至だった。 - 人的リソース
少数精鋭のメンバーで複数のゲームの企画・開発・運用を一貫して実施しており、人的リソースが限られていた。データベースやクラウド環境などの不明点や障害に備える体制を確保できるか不安があった。 - 負荷分散を考慮したリソース設計
ランキング機能など、リソース負荷が大きい機能の実装においては、その仕様や要件に合わせてクライアント・サーバ・ネットワークなどの全てを考慮した緻密な設計が必要であった。 - コスト・運用負荷の増加に対する懸念
もともと使用していた他社クラウドサービスでは、ネットワーク帯域制限やメモリなどのリソースのどこかが足りなくなると予想し、より上位プランの契約を随時検討していく必要があった。どこがボトルネックになるかを監視しながら運用プランを練り直す負荷、プランアップグレードに伴うコスト増、また、使い始めてから想定以上に課金されるコスト増などが懸念された。
結果と指標
- ジニアス・ソノリティはサーバ構築方法やDBのベストプラクティクティスの情報収集としてMySQLのイベントに参加。そこからMySQLの有償サービスの利用と、Oracle Cloud Infrastructureの採用を検討し始めた。
- 上記のビジネス上の課題を解決するために、MySQLおよびOracle Cloud InfrastructureのOracle Premier Supportを求めた。 MySQLサポートチームは、リリース数日前の緊迫した状況の中であっても質問に対して迅速かつ正確な回答を提供し、オンスケジュールでゲームを無事リリース。ローンチ後の大量アクセスでもトラブルなく乗り越えることができた。
- Oracle Cloud Infrastructureは基本スペックが高く、リソースが潤沢にあったため、ゲーム要件や仕様に合わせた設計をしやすかった。また運営していく中で、お知らせを出すなどのリソース配信の仕組みを作ったり、お客様の問い合わせ対応向けのツール作成や障害監視の仕組みを作ったりなど、インフラの性能やリソースによらず、スムーズにシステム拡張を実現することができた。
- リリース以降、ユーザーに影響を与えるようなシステムトラブルは起こっておらず、安定した運用・稼働状況を継続して実現できている。
- Oracle Cloud Infrastructureでは、Oracleが最初に提示した見積もり通りで、予想外の追加金額が発生していない。以前使用していた他社クラウドと比較すると、費用は体感的に1/3から1/2になった。
Oracleを選ぶ理由
「リリース直前の数日間という緊迫した時期に、MySQL InnoDB ClusterについてMySQLサポートに質問できました。MySQL InnoDB Clusterを初めて利用したため苦労しましたが、MySQLサポートに助けてもらえたことが非常に役に立ちました。これからも頼りにしたいと思います。」 ジニアス・ソノリティ株式会社 米内山 浩介氏
「これまで使っていたクラウドサービスはサポート費用が別途かかりましたが、Oracle Cloud Infrastructureはサポートも含まれているし、いつでも対応してもらえたのが想像以上に良かったです。インスタンスの作成から、オブジェクトストレージの件など、様々な質問を直接日本語で聞けたのが大きなメリットでした。」 ジニアス・ソノリティ株式会社 太田 賢一郎氏
「冗長化や高可用性を確保したいと思い、MySQL InnoDB Clusterの採用を決めました。ログの収集も高速で問題なく、ゲームリリース時から安定した稼働状況と運用を実現できています。
今回、MySQLと一緒に採用したOracle Cloud Infrastructureのメリットも非常に大きく、今後のプロジェクトでも積極的に活用していきたいと思っています。性能面での懸念はローンチ直後だけでなく、チーム戦、ランキング機能(カフェグランプリ)などがありましたが、MySQLのDBにログから溜めたデータを抽出、ランキング化する際も、DB性能がいいので遅延もなく想定どおりのレスポンスでした。今後はMySQL Database Serviceも積極的に利用していきたいです。
DBに直接問い合わせてランキングを出すなどの設計はDBのアクセス負荷が大きくなります。抽出したデータを各ゲームサーバに転送する際にもメモリをかなり使いますが、Oracle Cloud Infrastructureはメモリを気にしなくていい、ネットワーク性能もいい。基本的なスペックがもともと高く、リソースが必要以上ありました。その部分で苦労しなくて良いです。
Oracle Cloud Infrastructureは最初の見積もり通りの金額なので驚きました。想定通りで追加金額が発生していません。元々安かったですし、今のところ追加費用が発生していないのがありがたいです。以前のクラウドサービスと比較すると、費用は体感的には1/3から1/2程度だと思います。クラウドサービスは性能とコストのバランスが大事だと思います。」
取締役 / 最高技術責任者 川本 昌之氏
ジニアス・ソノリティについて
ジニアス・ソノリティは2002年に任天堂株式会社と株式会社ポケモンの出資を受け設立されました。創業当初より「ゲームで生活を良くする」という企業理念の元、ゲームソフトの企画・開発を一貫して行っています。
社名のジニアス・ソノリティとは、「共鳴する才能」という意味です。一人ひとりの、人を楽しくするためにあらゆることを考えられる「才能」を「共鳴」させ、最高のゲームを世に送り出していくことを使命としています。
これまでニンテンドーDSやWii、ニンテンドー3DSといった任天堂のハード向けのゲームソフトを中心に開発し、「ポケモントローゼ」、「ポケモンバトルレボリューション」、「DS文学全集」、「ドラゴンクエストソード仮面の女王と鏡の塔」、「ティンカー・ベル」、「電波人間のRPG」、「電波人間のRPG FREE!」などのタイトルがあります。これらは北米や欧州各国などにも展開され、国内だけでなく海外のユーザーにも広く利用されています。
任天堂およびポケモンなどからリリースするタイトルのほか、自社で育てたオリジナルタイトルにも力を注いでいます。2015年にリリースした「ポケとる スマホ版」は、同社初のスマートデバイス向けの開発運営タイトルであり、コンシューマ開発会社として実績のある同社の開発力が発揮されています。
ジニアス・ソノリティ株式会社 https://www.geniussonority.co.jp
『Pokémon Café Mix』公式サイト https://www.pokemon-cafe-mix.jp/
© 2021 Pokémon. © 1995-2021 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
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